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コラム

2.ラビットフードっていったい何だろう。

この記事はラビットフードクラウドファンディングに向けたラビットフード考察記事です。飼育のためになるお話ではありません。

現在の獣医師の指導とラビットフードの栄養組成

ラビットフードの起源は実験動物用のエサにあり、現在販売されているペット用のラビットフードは、実験動物としてのウサギのペレットの栄養組成を参考にし、あったほうが良い栄養素などを追加することによってペット用としています。
実験用の成ウサギは自分の体重の3-5%のペレットのみを食べて、体に必要な一日のカロリーや栄養素を補います。それが市販のラビットフードにパッケージの裏に記載してある給餌量の目安の起源になっているのではないかと私は考えております。

動物病院やインターネット上では、ペットのウサギのラビットフードの量は、成ウサギの体重の1.5%以下で良いという意見を多く見聞きします。これは、上述の通り3-5%のフードを食べるとフードのみで体に必要なカロリーを満たしてしまい、牧草の摂取低下につながるからです。
牧草の摂取低下は、咀嚼不足による歯牙疾患(不正咬合)や、繊維不足による消化管蠕動運動の低下(←ホント?)を引き起こすリスクを高めます。そのため、ラビットフードの量を制限し、牧草の摂取を促すことが勧められます。

でもちょっと待って、制限したフード量+牧草でちゃんと栄養は足りているの??

ラビットフード(体重の3-5%)のみに比べると、ラビットフード(体重の1.5%)+牧草というのは、栄養価的には劣ります。しかし、驚くことに盲腸便をうまく利用し、牧草のみ、野菜のみでも過ごしているウサギがいることも事実です。これらのウサギが栄養学的に十分な生活をしているかは不明ですが、少なくとも命をつないでいけるシステムがウサギには備わっています。
また現代のラビットフードの基準は実験動物のデータを元としているため、そもそも設定してある栄養基準が高すぎると言われており、それが現代のラビットフードの量を制限しましょうといういわれの一つになっています。

そんなこんなもあり、ラビットフードはサプリメント的な位置づけに

犬や猫では、総合栄養食というものあり、これは「水とそのフードだけで、健康な体を維持できるように設計されたもの」を指す言葉です。
この考えをペットのウサギに適合するのは、犬猫よりもペットとしてのウサギの栄養基準が定まっていないこと(そもそもラビットフードを与えなくてもやっていけちゃうこと)や、牧草を食べ放題で与えている為、摂取した総量(総栄養素量)の把握が困難なことを考えるとなかなか無理があります。それなのに現代のラビットフードは、それのみで栄養素を補おうと総合栄養食を目指しています。その結果、獣医師たちは量を減らせと指導し、結局、現場とフードメーカーの考えが乖離してしまっています。(というか、フードメーカーは前例にならってつくっているだけで多分考えてない。)

そもそも、1kgの成ウサギに必要なカロリーは約100kcal、2kgだと約170kcal、3kgなら約230kcalほどです。必要なカロリーは体重に比例しているわけではないため、体重の○○%という表記自体が総合栄養食を目指すのであれば、ナンセンスなのです。(犬猫でそんな記載のあるフードはありません。)

本来であれば摂取する各栄養素量を計算し、過不足がないかを判断すべきところが、フードは何パーセントだとか、野菜はこれくらいがいいとかいうアバウト議論は栄養学の観点からするとレベルの低いお話なのです。

そんなこんなもあるため、少し考え方を変えなくてはなりません。
前提として現在のラビットフードは
・栄養豊富すぎ。食べなくてもたいした問題にならないことが多い。
・牧草の摂取を前提として作られていない。フードの中にチモシーミール(牧草クズ)が含まれていることがほとんど。

そのため、私はこう考えています。
・不足しがちな栄養素を補うのが、現代のラビットフードの本来の立ち位置ではないだろうか。
・牧草摂取を前提としていれば、牧草クズをフードに入れる必要性はないのでは。
・+アルファの成分をいれることにより、シニアで気になるところをケアできれば、なおよいではないか。

動物の健康やQOLの向上が謳われる中、ラビットフードの進化は止まってしまっています。可能であれば、皆様からフィードバックを受けて、改良を常に重ねる「進化するラビットフード」を世の中に提案し続けていければと考えています。

About the author

ウサギのハート

このサイトの管理人。ウサギが好きで獣医師になる。勉強のために学生時代からウサギのハートを作り始め、様々なウサギの診察で有名な病院へ実習見学をしたり、専門店へインタビューをしたりするちょっと変わった人。十人兎色な考えをこのサイトに記し、ちょっとでもウサギの地位が向上することを願っている。