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3.ラビットフードの栄養組成

この記事はラビットフードクラウドファンディングに向けたラビットフード考察記事です。飼育のためになるお話ではありません。

ウサギに必要な栄養素とは

様々な論文がありますが、うまくまとめられている栄養組成はFEDIAFのペットのウサギの栄養要求量に行き着きます。多少の誤差はあれどやはり多くの専門家がまとめた栄養基準なだけあります。
※FEDIAF:欧州ペットフード工業会連合の略。ヨーロッパのドックフードやキャットフードはほぼすべてこの団体の基準に沿って作られています。

FEDIAF2013はこちらからダウンロードできます。

このFEDIAFのNutritional Recommendationsは、ウサギが食べる全てのものを総じての栄養基準であり、ラビットフードの栄養基準ではありません。しかし、FEDIAFも言っていますが、「よーわからんのやったら、ラビットフードはこの基準に従え」ということです。

?それっておかしくね?&だったら、獣医師がラビットフードは、規定量よりももっと少なくて良いっと言っていることもおかしくね?っていうことになります。

個人的な見解は「現状は半分正解で、残りの半分は曖昧だけど、盲腸で発酵して賄っているから問題が表在化しない。」ということです。

ラビットフードを減らしても大丈夫な理由

その1:もともと栄養たっぷり

基本的に栄養基準下限ギリギリで作られていないので、多少減らしても基準値内に収まっちゃいます。

その2:そもそもその基準を意識して作ってない

日本のラビットフードで意識して作っているところは、おそらく皆無。栄養組成も開示義務がないので、よくわからない。

その3:というか基準ってどうなのよ?

詳細を見ていくことわかることは、ウサギのタンパク質の基準の下限は、犬のタンパク質の下限よりも高い設定になっています。これって普通に考えてオカシイよねっていう話。

その4:ウサギってすごいのよ!

盲腸で発酵して必要な栄養素を作れちゃうのがウサギのすごいところ。もちろん全部の栄養素を合成できるわけではないけれど、腸内細菌がタンパク質やビタミン源になっちゃんだからすっごいのよ。

結果:栄養基準自体が全然定まっていない。

現在作られている基準は、食肉用のウサギの基準を愛玩用のウサギに当てはめて作っている為、異常に基準が高い可能性が挙げられます。さらに体格も大きく異なっているため、そのままの基準を適応するのはどうなのかなぁと考えたりもします。

近年小型ペット用のウサギの栄養基準に対して、「そもそも栄養基準高すぎじゃね?」っていう報告も数は非常に少ないですが、出てきております。

ウサギは盲腸便を食べることで食事が完結するので、栄養組成の決定は非常に高難易度です。現代では、昔ではできなかった検査ができるようになってきたので、今後のウサギの栄養学の発展に期待&貢献できればと考えています。

About the author

ウサギのハート

このサイトの管理人。ウサギが好きで獣医師になる。勉強のために学生時代からウサギのハートを作り始め、様々なウサギの診察で有名な病院へ実習見学をしたり、専門店へインタビューをしたり、ラビットフードを作り始めたりするちょっと変わった人。十人兎色な考えをこのサイトに記し、ウサギの地位が向上することを願っている。