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コラム

動物病院はどうやって選べばいいの?

獣医師とうさぎ

動物病院を選ぶ際、何を基準に選びますか?
距離?待ち時間?口コミ?…判断基準はいくつもありますよね。このページでは、 動物病院を選ぶ判断材料についてお話しします。

一番大切なことは信頼関係を築くこと

何よりもまず治療をする上で一番大切なことは、飼い主さんと獣医師が信頼関係を築くことです。私たち獣医師は、飼い主さんと動物との関係性や、その子がどのような性格なのか、飼い主さんがその子に対してどんなことをしてあげたいと思っているのかなど、様々コミュニケーションをとって、治療やケアの方法などの提案をさせていただいています。 信頼関係を築くうえでコミュニケーションは非常に重要です。
そのため、ほとんどコミュニケーションをとったことが無い子が、突然瀕死の状態で病院にいらっしゃると、時折治療がスムーズにいかないことがあります。 そんな事態を避けるためにも、まずはウサギが元気な時に健康診断や爪切り等で通院し、気軽に話せるような関係を築いていきましょう。

知識として知っておきたいこと

ウサギの知識は獣医師によって大きな差がある。

イヌとネコとは異なり、獣医大学ではウサギについて勉強をする機会はほとんどありません。ゆえに、ウサギの医療に関しては各自で勉強をし、知識、経験を積んでいくことになります。そのため、保定の仕方一つとっても病院ごとに方法が違ったり、治療方針や使用する薬の種類などにも差が出てきてしまいます。

確かに相性はある。口コミは参考程度に。

ウサギと獣医師、飼い主さんと獣医師、当然お互い生き物ですので、相性はあります。同じ内容を伝えるにしても「話し方」は獣医師によってそれぞれです。またその「話し方」が合うかどうかも人それぞれです。インターネットや友人の口コミで高評価、もしくは低評価であっても、それはあくまでもその人とその動物に合ったかどうかの指標でしかありません。是非ご自身の目で見極めて、納得できる病院を見つけてくださいね。

セカンドオピニオンとドクターショッピングは違います。

今かかっている獣医師以外の獣医師に意見を求める「セカンドオピニオン」は 「かかりつけ医を変える」と同義でありません。セカンドオピニオンは、違った視点からうちの子の状態を見てほしい場合や、治療の選択肢を増やしたい場合に有効活用して下さい。
「ドクターショッピング」とは、 一般的に正しいと言われる医療を受けたにもかかわらず、納得がいかずに病院を変えたり、自分にとって都合の良い診断を下す医師が現れるまで病院を転々とすることです。 獣医師がすべき判断を飼い主さんがしてしまっているような状況とも言えます。

飼い主さんご自身が納得することは非常に大切なことですが、感覚だけで根拠なく病院を渡り歩くことは良質な医療機関の発見には結びつきません。時に治療が後回しになったり、多くの獣医師が加わることによって治療に一貫性が無くなってしまったりします。ウサギの負担も考え、慎重な行動が必要です。

「後医は名医」という言葉があります。「同じ患者さんを診るなら、後から診たほうが名医になれる」という意味です。後から診察した獣医師は、前に診察した獣医師の治療結果や経過をもって判断ができるため、より正確な診断・治療ができるのは明らかなことです。前の獣医師の診断が後の獣医師と異なっていたからといって、必ずしも前の獣医師の能力が低いとは限りません。

動物病院を選ぶポイント

遠くの有名病院か、近くの病院か

ウサギの病気の進行は犬や猫と比較すると非常に早いです。移動はストレスにもなります。かかりつけの病院が近くにない場合、連れて行くのが最善なのかどうか判断に迷うこともありますよね。病院が遠いと足が遠のいてしまう原因になってしまいます。
緊急事態の時はまずは、かかりつけ医に限らず、夜間の病院でも近くの病院でも初期治療をしていただくことも必要かと思います。そのため、まずは、信頼できる先生を作り、その先生に「病院が開いていない時間帯や、自宅から遠いため緊急で連れてこれない場合に、どうすればよいか。」など、いざという時の対処法を聞いておくのも良いかもしれません。

ウサギを触る手つきは慣れていますか?

あまりウサギの体に触れようとしなかったり、触れる手つきが頼りなかったりしていませんか。

全身チェックをしていますか?

聴診器を当てて心音、肺音を聞き、お腹を触診し、目、耳、口の中等を確認していますか。短時間で簡易的であっても動物の命の時の早さからすると、こまめな全身のチェックは非常に重要です。全身を診ることによって別の病気が発見されることもあります。

質問に対し曖昧な回答、納得のいかない説明は受けていませんか?

時に獣医師であっても判断に困ることはあります。分からないことをはっきりと分からないと言える先生は信頼できると私は考えています。わからないことを正直に認め、飼い主さんと共に考え、さまざまな提案をしてくれる獣医師であれば、その子にとっての最善の治療法を一丸となって導き出すことができますよね。 全てがわかる獣医師が名医とは限りません。

わからないことは質問をしましょう。

この治療は必要なの?どのくらいで治るの?これは何のための治療?そんな疑問を持ちながら治療を進めると、不安になりますよね。獣医師との会話不足から、飼い主さんの判断で必要な治療が中断されてしまうことがあります。
わからないことがあったら何でも質問して下さい。その質問がウサギの元気になる手助けとご自身の不安の解消になるかもしれません。

「私たち獣医師は動物を助けるためにいます。しかし、そこには飼い主皆さんの協力が必要です。皆さんの判断・行動こそが大切なウサちゃんを守ります。
ウサちゃんと皆さんに合った素敵な病院に出会ってくださいね。」

About the author

ウサギのハート

このサイトの管理人。ウサギが好きで獣医師になる。勉強のために学生時代からウサギのハートを作り始め、様々なウサギの診察で有名な病院へ実習見学をしたり、専門店へインタビューをしたり、ラビットフードを作り始めたりするちょっと変わった人。十人兎色な考えをこのサイトに記し、ウサギの地位が向上することを願っている。