今回は、ウサギの体表に寄生する寄生虫について掘り下げてみようと思います。
なかにはきちんとした機械がなくても見つけられるものもあるので、ぜひ読んでみてください。
ウサギキュウセンヒゼンダニ Psoroptes cuniculi
主にウサギの耳道に寄生し、外耳炎を引き起こします。(別名→ウサギ耳疥癬、ウサギ耳ダニなど)
メスは0.37~0.55mm、オスは0.4~0.75mmと大きめなので肉眼での観察もできます。
脚は4本。見た目はこんな感じです(顕微鏡)
卵としてうまれてから約3週間で、卵を産みます。
症状は耳のかゆみです。
最初はとても症状は軽いですが、だんだん激しいかゆみになります。
耳にかさぶたが大量にできます。
疥癬
ウサギに感染するのはネコショウセンコウヒゼンダニとイヌセンコウヒゼンダニです。
角質層にトンネルを掘って寄生し、皮膚炎を引き起こします。
これは人獣共通感染症といって、動物だけでなく人にも噛みついてくるので注意が必要です。
メスは0.4×0.33mm、オスは0.2×0.15mmと小さ目なので肉眼では見えにくいです。 形はこんな感じの見た目をしています。
接触感染が主です。ウサギ同士が接触することで表面のダニ(メス以外)が皮膚を渡り歩き移ります。
顔面や四肢に起こりやすいです。
ヒゼンダニは皮膚の中にトンネルを掘っているため、激しく痒がります。
ウサギズツキダニ
ウサギの被毛に寄生して皮膚から組織液を吸っているダニです。
日本で飼育されているウサギにはかなりの確率でいるようです。
メスは体長約0.56mm、オスは体長約0.61mmで、これは白い毛のウサギだとコショウを振りかけたように見えます。
おなかにある把握器で毛幹にしがみついています。
ウサギ同士の接触によって伝播しますが、通常症状はあまりありません。
体幹背側に寄生しやすいです。
毛をかき分けてみると、ふけのように見えます。
ウサギツメダニ
人に噛みつくこともあります。(かまれると足や腕に赤い丘疹ができます)
ウサギの角質に寄生して組織液を吸って生活しています。
大きさは0.27~0.54mmです。
ウサギの頸部から体幹の背側に寄生します。初期にはあまり症状はありませんが、だんだん感染部の毛が薄くなり、紅斑やふけ、斑状脱毛、かゆみがみられます。
ウサギ同士の接触によって伝播します。
ウサギの角質の中にいるため、皮膚を掻きとって検査(掻把検査)しないと見つからないこともあります。
ノミ
日本の飼育下のウサギにみられるノミは、ネコノミとイヌノミが多いです。同居でネコやイヌがいる場合は注意です。皮疹はなく、ノミの糞がみられることもあります。ノミの糞と、ただのゴミかを見分けるポイントがあります。
ノミは血液を吸うため、ノミの糞は濡れたティッシュペーパーの上でつぶすと赤くにじむようです。
ノミは1~3mmと、かなり大きいため、肉眼で探せます。
体幹の背側部から尾根部にかけて丘疹や紅斑、ふけがみられ、自分でひっかくことによってひっかき跡がみられることもあります。
こちらにウサギさんの身体で、これらの虫が見つかりやすい部位を示しています。 もし探してみる場合は参考にしてみてください。