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肥満は病気!ウサギの適正体重を知る。

肥満は万病のもと

草食動物であるウサギは、野生下では脂肪や糖分の多いものを口にすることは、非常に稀です。脂肪の代謝は苦手で、カロリーの高いものを与えるとすぐに太ってしまうため、炭水化物や、脂質の多いものは控える必要があります。

肥満になると…たくさんの問題が生じる。

肥満になると以下のような問題が生じます。

①関節に負担がかかる。→関節炎になる→動かなくなる→さらに太る
➁心臓に負担がかかる。→心疾患へとつながる。
③血管にコレステロールが沈着し、伸展性がなくなる。血管内腔が狭くなる。→動脈硬化、高血圧になる。
④お腹がつかえて、盲腸便が食べれなくなる。→お尻まわりが汚れて皮膚炎。栄養状態の悪化。
⑤内臓脂肪に消化管が押される。→胃腸機能の低下。
⑥足裏への負担。→ソアホック(潰瘍性足底皮膚炎)の悪化、発症。
⑦肝リピドーシス

いいことがまるでありません。絶対に痩せるように!!特に肝リピドーシス非常に怖い病気です。

肝リピドーシスは死ぬ病気です。

何かしらの理由で食事をとれない状況が続くと、体の脂肪をエネルギーとして動員するために、体の脂肪を分解し、一度肝臓へ送ります。しかし、肝臓がそれを処理しきれず、ため込むことにより機能は低下し、最終的に肝不全に陥ります。これを肝リピドーシスといいます。

肝リピドーシスは、犬や猫もなる病気ですが、動物種により、食事がとれなくなってから発症するまでの時間が異なります。ウサギは、肝リピドーシスになるまでの時間が最速で、早いと1日でなってしまうこともあると言われています。

肝リピドーシスになったら、最後。食欲は廃絶し、多くの子が亡くなってしまいます。脂肪をため込んでいる肥満の子は特に肝リピドーシスになりやすいため、食欲が低下した際には、非常に注意が必要です。

あなたのうちの子は理想的な体型?Rabbit size -O-Meterを使ってみよう!

ウサギは品種や骨格により理想的な体重は異なるため、「何キロだから理想的」といった形で具体的な数値を提示することはできません。見た目や触った感覚をもとに理想的な体重であるかを探っていきます。

Rabbit size -O-Meterは イギリスのペットフードメーカー協会(Pet Food Manufacturers Association )が発表している体重を評価するためのツールで、ウサギだけでなく、犬、猫、モルモット、鳥の評価ツールまであります。
私のつたない英訳と英語がわかる方は、動画もどうぞ!

PFMAのHPはこちら ←原文を読みたい方はこちらから。

さてさて、スコアの結果は?

こちらも英訳(意訳)になります。

スコア1とても痩せている

自然にもともと細い骨格を持っている可能性もあるかもしれませんが、獣医師に相談して、歯や腎臓などに病的な原因がないかを除外してもらってください。
もし健康であったとしても、食生活やライフスタイルの変更のアドバイスを求めてください。

スコア2痩せている

潜在的に体重不足です。もともと細い骨格を持っている可能性はありますが、健康診断のためをすることをオススメします。
もし健康であったとしても、食生活やライフスタイルの変更のアドバイスを求めてください。

スコア3理想的な体型

おめでとうございます、あなたのウサギは理想的な体の状態です! 理想的な体型は長く健康的な生活を送る可能性が高まるため、これは素晴らしいニュースです。
ウサギを最高の状態に保つには、体重と体調を定期的に(例えば、月に1回)チェックし、あなたと家族全員が食事を与えすぎないことに注意をしてください。
ライフスタイルの変化(運動量の減少、手術、治療、ストレスなどの要因)が体重の変化につながる可能性があることを忘れないでくださいね。

スコア4 体重過多(やや肥満)

あなたのうちの子は体重過多です。太りすぎは高血圧、腎臓病、関節炎、膀胱炎、その他合併症を引き起こす可能性があり健康を害し、寿命を短くする可能性があります。
獣医師に健康診断とアドバイスを求めてください。獣医師は体重過多の根本的な医学的根拠を探ります。健康上の問題がない場合は、食事とライフスタイルの変更が提案されるでしょう。

スコア5肥満

肥満でしょう。深刻な医学的問題を抱えている可能性があります。
太りすぎは高血圧、腎臓病、関節炎、膀胱炎、その他合併症を引き起こす可能性があり健康を害し、寿命を短くする可能性があります。 獣医師による健康診断を徹底してください。獣医師は肥満の根本的な医学的根拠を探ります。健康上の問題がない場合、食事とライフスタイルの変更といった減量プログラムが必要です。

体重は日々変動するものだから、常に気をつけるべし。

食事内容が変わったり、運動量が減ったりすると少しずつ体型にも変化が出てきます。シニアになるにつれて必要なカロリーが少なくなり、同じものを食べていたとしても太っていた…なんてことも。
大切なことは、日々のスキンシップの中で常にチェックをすることです。 コミュニケーションをとりながら、楽しく体型管理ができるといいですね。

About the author

ウサギのハート

このサイトの管理人。ウサギが好きで獣医師になる。勉強のために学生時代からウサギのハートを作り始め、様々なウサギの診察で有名な病院へ実習見学をしたり、専門店へインタビューをしたり、ラビットフードを作り始めたりするちょっと変わった人。十人兎色な考えをこのサイトに記し、ウサギの地位が向上することを願っている。