ウサギ梅毒ってなに?
トレポネーマ パラルイスカニキュリ(Treponema paraluiscuniculi)と呼ばれるスピロヘータの一種が原因菌でなる病気です。トレポネーマ症、うさぎのスピロヘータ症と呼ばれることもあります。
どんな子がなるの?
交尾により感染し、母子感染を引き起こします。そのためおうちに迎え入れたときから潜伏感染をしていることがほとんどです。
※ちなみに人には感染しませんのでご安心ください。
どんな症状がでるの?
口、鼻、陰部、目の周りの皮膚に盛り上がったカサブタを作ります。初期は赤みだけで、痛みや痒みはほとんど見せませんが、ひどくなるカサブタの下から出血し始め痛みを伴います。(無理に盛り上がったカサブタを取らないように!)
くしゃみを伴うこともあります。
診断の仕方は?
特徴的な病変を呈するため、多くの場合獣医師による視診のみです。
RPRテストキットで抗体検査をすることができますが、もともと抗体保有率が35%ほどあるため、キットでの陽性をもってしても確定診断にはなりません。(25%ほどが症状を出さずに感染しているとの報告もあり。)
病変から掻きとった材料で特殊な銀染色をしたり、暗視野顕微鏡、位相差観察のできる顕微鏡を利用しても検出することができますが、特殊な機材が必要なため、あまり一般的ではありません。
治療は 飲み薬か、注射。
クロラムフェニコールをひたすら飲ませ続ける。
飲み薬では、クロラムフェニコールと呼ばれるウサギの世界では比較的安全性の高い薬を使用します。粉や水薬で処方されることが多く、人ではとんでもなく苦くて飲めない味をしていますが、ウサギはほんの少し甘い味付けをするだけで好んで飲んでくれます。(ウサギと人の味覚の違いおそるべし・・・)
ペニシリン系の注射はリスクが多少あり。
一週間に一度注射するだけで良いのがペニシリン系のお注射です。ただし、このお薬はウサギに使う抗菌剤のなかでは、より注意して使用しなければならない部類のお薬です。腸内細菌のバランスを乱し、食欲不振が時折見受けられるため、非常に効果的なお薬ではありますが、お腹の調子と相談をしながら、注射を打つ必要があります。
病変がなくなっても薬を続けることが最も大切です。
一般的には治療期間は2-4週間ほどになりますが、とても大切なことは病変がなくなっても飲み薬なら1週間、注射薬なら+1回ほどは、治療を継続することが大切です。
見た目が治って、すぐに薬をストップしてしまうと、すぐさま再発してしまい振出しに戻ってしまいます。ご面倒ではありますが、余裕を持った期間で投薬をし、ウサギ梅毒を叩ききってください。