ブラッシングをしないと怖いことが…
本来ウサギは夏にかけてと冬にかけて換毛を行います。しかし、飼育されている環境の温度や日照時間により、年に4回換毛が来たり、年中換毛をしたりと様々です。
ブラッシングを行わないと、ウサギは自らの毛を飲み込み、胃腸内で詰まったり、流れが悪くなる病気「うっ滞(食滞、RGIS)」を起こす可能性が高まります。この病気は軽度なものから、死に至るものまであり、かなりこまめなブラッシングを行わないと、換毛期ごとに生死をさまよう戦いをしなければならない子もいます。
10分1回よりも、1分10回
どんなに綺麗に頭を洗っても、翌朝にはもう抜け毛が出てきますよね。ウサギの毛も同様です。1日10分1回のブラッシングを丁寧に行うよりも、1分10回のこまめなブラッシングのほうが、効果的です。大切なことは、抜け毛をなるべく口にさせないために、体についている時間を少なくすることです。抜けたそばからすぐに取り除くような感覚で小まめなケアをしましょう。
引っ張って抜いてしまうようなブラッシングはNGです。例え沢山毛が取れたとしても、抜ける毛ではない毛を引き抜いても、また同じ毛が生えてきて、そのあと換毛が始まります。やった気になるだけなので、注意が必要です。
ブラッシングという名の「ただ、ちょっとしつこくなでる行為」
さまざまなブラッシンググッズが売っています。いろいろ試してみていただいても良いかと思いますが、最強のブラッシングは「手」です。ブラッシンググッズを用意して、ウサギに近づくと逃げてしまう子もいますし、「用意する」という行為自体が、ブラッシング頻度を下げる原因にもなります。
換毛期は、ちょっとしつこいくらいに全身をナデナデしましょう。ケージの近くを通るときにナデナデ、ご飯の時にナデナデ。捨ててもいいような静電気をまとった服を着て、抱っこしてナデナデもかなり効果的です。「なんか最近やたら、なでてくれるな」と思わせるくらいがいいかもしれません。ぜひ、お互いが嫌にならない、楽しい換毛の方法を見つけてください。
ブラッシング用品のご紹介
病院でよく使われているよ!
スリッカーは、毛は良くとれるけどオススメしません。
イヌやネコではよく使うスリッカーですが、ウサギの皮膚はとても薄く、使い方を間違えると皮膚が裂けてしまうため、あまりオススメできません。スリッカーの使い方は、皮膚にあてずに毛をかき分けて根元から先端に向かって流れに沿ってそっととかすのが基本ですが、訓練をしないとなかなか難しいです。長毛種など、どうしてもスリッカーを使わないと維持が難しい品種もあるので、ご使用の際は使い方をしっかり学んでから、実践に挑んでください。スリッカーの先端が丸く安全になっているものもありますが、やはり尖っていたほうが毛は取れるというジレンマです。
コーム(ノミとりクシ)は汎用性高し
歯の部分が細かいコームは、換毛期のブラッシング以外にも、便が毛についてしまったときや、目の周りの涙で固まった毛をほぐすときなど、非常に使いやすく優れものです。金属性のものは水洗いが簡単で、左右で歯のピッチが違うものは、粗→細の順で使うとブラッシングしやすいです。