実は「根拠が薄い」ペレットたち
残念ながら、ペットのウサギの栄養学は全くといって発展していないのが現状です。そのため、ペレット(ラビットフード)の配合は、経験的なものでしかありません。
数少ない文献ですが、以下のような栄養基準が提唱されています。
成ウサギのためのラビットフード
粗繊維:>18%
不消化繊維:>12.5%
粗蛋白:12-16%
脂肪:1-4%
カルシウム:0.6-1.0%
リン:0.4-0.8%
ビタミンA:10000-18000IU/kg
ビタミンD:800-1200IU/kg
ビタミンE:40-70mg/kg
微量元素他:マグネシウム0.3%,亜鉛0.5%,カリウム0.6-0.7%
参考文献:ラビットメディスン 著 Frances Harcourt-Brown
グルテンフリー配合など各社趣向を凝らしているが、根拠はない。
多くのメーカーが多種多様な栄養素を配合し、健康を意識したペレットを作っているように記載されています。しかし、残念ながらそれらに医学的な根拠(エビデンス)はないため、「グルテンフリー」「アガリクス入り」などのペレットが良いと書かれているようなサイトは鵜呑みにしないほうがよいでしょう。現時点において、他の動物のデータの引用か、印象操作でしかないため、栄養素的にどのペレットが良いと断言することはできません。
それでもオススメのペレットを聞かれたら、私はこう答えます。
栄養学的根拠に乏しいのがウサギのペレット市場です。そのため、印象でしか選べないのが実情です。大手や有名どころを挙げておきます。決して今食べているペレットと違うからといって変更する必要はありません。気になるようでしたら試しにどうぞ。
Burgess「EXCEL」シリーズ
イギリスのメーカーで、牧草を主食にしているウサギの為のラビットフードです。栄養組成が上手に調整されていると私は思います。
WOOLY「BLOOM」シリーズ
国産のウサギ専門メーカーです。国産の牧草も取り扱っています。グルテンフリーではありません。年齢に合わせて、ライフステージごとに種類があります。手でポロポロとほぐれるほど柔らかいペレットです。
イースター「セレクション」シリーズ
バニーセレクションは、多くのペットショップに取り扱っています。ステージ別もあれば、ネザー用、ロップ用もあります。proシリーズはグルテンフリーです。動物病院用のペレットや強制給仕用の粉を売っていることでも有名です。
個人的な印象としては、普通のペレット。グルテンフリーがいいのであれば、全ラインナップをそうすればいいに…と思います。
コンフィデンス
獣医師監修のフードです。プレミアムも発売されています。
海外メーカー編(有名どころ3つ)
OXBOW(オックスボウ)
アメリカの超有名なメーカーです。このメーカーがバックについて獣医師がセミナーをするほど、世界的大御所です。
Heinold(ヘイノルド)
こちらもアメリカの超老舗メーカーです。短毛用「SHOW FORMULA」、長毛用「WOOL FORMULA」が販売されています。ペレットは硬め。
american pet(アメリカンペット)
ちょっと前までamerican pet diner(アメリカンペットダイナー)という名前の会社だったはずですが、社名を変更したようです。日本ではAPDと略されるメーカーでこちらも超有名。