ケージかじりの防止やストレス発散に!
元来ウサギは、かじることが大好きな動物です。野生のウサギは、木の皮などをかじって遊んだりしてストレスを発散しています。 また多少なりとも歯の伸びすぎを防ぐのにも役立っています。
飼育下のウサギはかじり木を入れないと、ケージなど硬い所をかじってしまう確率が高くなります。 その結果、歯に負担がかかり不正咬合を助長することになるため、かじっても良い対象としてかじり木を与えることをお勧めいたします。
かじり木の選び方としては添加物の含まないものを選びましょう。特にカルシウムが添加されているものはカルシウムの過剰摂取につながる可能性があるので、避けるべきです。
※かじり木を必要ないという獣医さんもいらっしゃいます。それは、かじり木の木クズが口の中を傷つけてしまう可能性があるからです。
しかし、かじり木をいれないからといって、かじる行為をしないかというと、上記で述べたように、ケージなど別の場所をかじっている可能性が高いですし、かじる欲求が満たせずにストレスが溜まってしまうこともしれません。
ケージかじりを防ぐ
診察時に、左右の前歯(門歯)削れ方が異なっていたり、片方だけ前に出ていたりするウサギをよく目にします。これらの原因は多くの場合、噛んではならない場所(特にケージの入り口部分)を執拗に噛んでいるからです。
「ケージから出たい!外で遊びたい!なんか頂戴!」という欲求から、ケージの入り口をかじっている子に関しては、置き型のかじり木を与えてもケージかじりをやめさせる効果はありません。以下のような対処が必要です。
- ケージの入り口に格子型かじり木を設置
- アクリル板で噛めないようにする
- 要求を無視をする
ケージを噛む行為自体を防ぎ、歯の保護のためには、早急に格子型かじり木やアクリル板の設置が必要です。しかし、これだけでは別の場所を噛んだり、お皿をひっくり返したりと他の行動によってトラブルを起こすことがあります。
これは、以前にケージを噛む行為によって、美味しい食べ物をもらえる、ケージから出してもらえる、相手にしてもらえるなどの要求が通ったという経験があるからです。「ケージを噛む→自分にとっていいことが起こる」という繰り返しが、ケージを噛むという行為自体を強化していってしまいます。そのため、問題となる行動をとったとしても、基本的には「無視」し、食事やお散歩の時間、おやつなどは決められた時間、量などを守るようにしてください。ウサギの要求ばかり聞いていると、ワガママな子になってしまいます。
お皿やトイレをひっくり返すのであれば、すべて固定し、ケージの不特定の多数の場所をかじるのであれば、そこをすべて齧れないようにするくらいの根気が必要です。