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繁殖

メス♀は避妊手術をしましょう。

野原のうさぎ

ウサギは超ウルトラ子宮疾患になりやすい。そういう生き物です。

メスのウサギが、子宮疾患にかかる確率は、
3歳で50%,5歳で80%以上,10歳で限りなく100%
とも言われています。
こんなにも高確率な理由は、野生では通常年に5,6産することによって保たれているホルモンバランスが飼育環境下では崩れるためだと考えられています。
たとえ家庭内で、繁殖を2,3回行ったとしても、子宮疾患になる確率はほぼ変わらないようです。この病気にかかる確率を見れば、早期に(生後6ヵ月程度)避妊手術をしたほうがよいでしょうね。

※子宮疾患にかかる率:子宮が病的な変化を起こしている状態。症状に出る出ないは関係ありません。

避妊手術のメリット

子宮疾患、乳腺腫瘍を防ぐ

ウサギの避妊で最も大きなメリット。 子宮疾患や乳腺腫瘍は、命に関わることが多いです。

妊娠を防ぐ

当然ですが、卵巣や子宮をとってしまうので、妊娠はしません。雄と一緒に遊ばせたい場合は、避妊をしないとすぐに子供ができてしまいます。

ストレスを減らす

発情周期のほぼないウサギは、常に妊娠できる状態にあり、本能的にたくさん子孫を残そうとします。(野生ならば年に5~6産します) それゆえに、繁殖を行わないと発情状態が続いていることになりストレスになっていると考えられています。

おとなしくなる

ウサギのホルモンバランスは不安定であり、時に飼い主とのコミュニケーションを阻害するほどになることもあります。 攻撃的な個体は、ストレスの軽減と共に避妊によって大人しくなることもあります。

偽妊娠を防ぐ

偽妊娠をする可能性が高くなります。偽妊娠の状態になるとお腹の毛を抜いて巣作りを始めます。その際に不要な毛を飲み込むことによって病気になりやすい状況になります。

ある日突然、お尻から出血→即手術の心構えを

「健康なうちに体にメスを入れるのはどうなのか。」「麻酔のリスクがあるでしょ。」そう考えて避妊手術をせずに日々を過ごすのも飼い主様の選択です。しかし、ある日突然、お尻から出血をして病院に駆け込む状況が、かなりの高確率で起こりうるということは理解しておかなければなりません。もちろん若く健康な状態と比較し、高齢で状態の悪い子ほど麻酔のリスクは高まります。
ウサギの子宮疾患は薬では治りません。外科手術が第一選択です。なにかあったら、即決断できるような気持ちでいなければなりません。

避妊手術を薦めない病院もある!?

ウサギは健康な状態でさえ、イヌとネコと比較し麻酔のリスクの高い生き物です。そのため、積極的に避妊手術を薦めようとする病院はそこまで多くありません。イヌやネコは普通に避妊手術をするのに、ウサギは行わないという先生は、そういったリスクを考えての結果でしょう。また、健康な時に麻酔をかけて何か問題があるのと、病気の時に麻酔をかけて問題があるのとでは、飼い主様の受け止め方も違ってくるため、獣医師側の保身の意味合いも、もしかしたらあるかもしれません。

大切なのは決断をするということ

一番良くないことは、ズルズルと何も決断せずにいることです。
避妊手術を「する」「しない」にかかわらず、自分でしっかりとリスク・ベネフィットを理解し、判断、決定をしましょう。その上で出た答えが飼い主様とその子にとってのベストな選択だと思います。本気で悩んでぜひ答えを出してくださいね。

About the author

ウサギのハート

このサイトの管理人。ウサギが好きで獣医師になる。勉強のために学生時代からウサギのハートを作り始め、様々なウサギの診察で有名な病院へ実習見学をしたり、専門店へインタビューをしたり、ラビットフードを作り始めたりするちょっと変わった人。十人兎色な考えをこのサイトに記し、ウサギの地位が向上することを願っている。