facebook

mixi

twitter

トップ>ゴニョゴニョ>ウサギの歯科処置について

ウサギだけでなく、他分野に渡る独り言です。

2014/8/29

writer:ウサギのハート代表

今日はウサギの歯科処置の仕方についてお話します。

 

ウサギの不正咬合と言えば、ウサギの三大疾患の一つと言われるくらい多い病気の一つです。(その他二つはうっ滞、子宮疾患)

 

※不正咬合とは・・・一生伸び続けるウサギの歯が変な方向に曲がり、舌や頬を傷つけたり して、食欲不振に陥ったりする疾患。読んで字のごとく「不正(正しくない)」「咬合(かみあわせ)」のこと。

 

現時点では、不正咬合の治療は「曲がってきた歯を削る、または切る」という治療が主流であり、人間のように矯正をすることは難しいとされています。
ただし、軽度な門歯(前歯)のみの不正咬合ならば切り方、削り方により、正常な位置に戻る可能性はゼロではありません。

 

ここからが本題です。
ただ歯を「切る」「削る」と言っても、実は病院によって処置の仕方には大きな差があります。今日は、その違いを説明したいと思います。

 

歯を処置するのに使われる機材は
・ニッパー、ロンジュール等:歯をバチンと切断するもの
・マイクロエンジン:人間の歯医者でも使われており、モーターにより高速回転する機材。先端を変更することによって、削る、切るが行える
・ヤスリ:金属製で臼歯(奥歯)削りに使用

等があります。今日は使用される機材の長所短所を簡単に説明したいと思います。
(私個人の意見です。様々な意見があるため参考程度にしてください。)

 

【ニッパー、ロンジュール等】
<長所>
・安価
・奥歯(臼歯)の処置に慣れている獣医師ならば感覚的(盲目的)に一番後ろの奥歯を処置できる可能性がある(通常視野を確保しにくいため、麻酔をかけることが多い)
・口腔内に機材を入れている時間が短時間 ※臼歯(奥歯)の場合

<短所>
・破折(歯が縦に割れたり、変な方向に折れたり)の可能性がある
・あくまでもバチン切っているだけなので、必ずしも綺麗な切断面になるとは限らない
・歯根への負担が大きいため、さらに歯が曲がって生えてくる可能性がある
・「バチン」という衝撃は、痛みとともにウサギに恐怖感を植え付け、治療に協力的でなくなる可能性がある

 

【マイクロエンジン】
<長所>
・歯根の負担がニッパーに比べ少ない
・切断面を綺麗に整えることができる
・破折のリスクが少ない

<短所>
・処置の費用がほかに比べ高い可能性がある(たいして変わらないと思いますが、念のため)
・口の中を傷つけるリスクが高い可能性がある
・ニッパーよりも処置時間が長くなる可能性がある

 

【ヤスリ】※臼歯のみ
<長所>
・安価
・先端が丸ければ重大な怪我を負わせるリスクが低い
・歯根への負荷がニッパーに比べ少ない

<短所>
人力(手動)のため
・時間がかかる
・歯の大きな曲がりに対応できない

 

 

このようなことが、挙げられます。

どの機材にも一長一短があるとは思いますが、
門歯(前歯)の処置は、口腔内の損傷のリスクが低く、綺麗に切れ、歯根への負荷が少ないとされるため現在マイクロエンジンが一番良いとされています。ですから、私は門歯に関してはマイクロエンジンを使用し歯の処置を行う動物病院をおすすめします。

 

ただし、臼歯の処置については、マイクロエンジンでの処置は口腔内の損傷のリスクが高くなるため、一概にニッパーが良くないとは言い切れないのが今でも一般的な意見です。

 

しかし、その子が一生使い続けていく歯ですから、「食べられる、食べられない」という次元ではなく、「食べやすいように調節してあげる。歯根の負担をなるべく減らし、綺麗な歯をなるべく残してあげる」というレベルで話をしてあげたほうが、ウサギにとっては優しいのではないのかと私は考えます。そのため私は必要であれば麻酔をかけてでも、マイクロエンジンを使用し、綺麗に歯を削ってあげることが、一番いいのではないかと考えます。(もちろん麻酔のリスクを考慮しなければなりませんので、その子の年齢病歴等も考えなければなりませんし、費用も格段に跳ね上がります)

 

 

これは完全な個人的な意見にすぎませんが、
【門歯の処置】
マイクロエンジン一択

【臼歯の処置】
軽度な歯のとがり等であれば、麻酔をかけずにヤスリ、マイクロエンジンで処置し、
全体の歯の高さを整えたり、大きく曲がった歯を処置する場合は、麻酔をかけてマイクロエンジンで処置するのが最もウサギにとって良いのではないかと考えています。

 

 

 

飼い主さんからは同じ処置のように見えるかもしれませんが、方法が異なることによって、費用、リスク、そして結果は大きく違いが出てきます。「こんなことを話されても裏のことだからわかんないよ!」と言われるかもしれませんが、ウサギは犬猫よりも病院によっても治療方針が異なるので、飼い主さんが賢くなっていかなければならない一面があると思います。ちょっと深い話でしたが参考になれれば幸いです。

 

以上ウサギのハート代表でした。

トップへ戻る